夜も更けた時間に、
静かに自宅で観たい映画。
静かに流れるドライブ中の会話と、
落ち着いた物語が魅力。
尺が3時間と長めなので、落ち着ける席を選んで観たのが正解だった。
個人的には、後席がない席を選ぶとよりしっとりこの映画に包まれていいと思います。
劇的な演出は無いです。
なので、人を選ぶ作品だと思います。
エンタメが好きな人からしたら面白みのない退屈な3時間に。
この空気感が好きな人にはとことん刺さる映画…だと思います。
西島さんが凄く良い。
冒頭付近の目撃シーン、
唖然としながらも静かに扉を閉める。
そして、夜の会話では何事もなかったかのように。
柔和な表情を取り戻しているように見える。
役に合っていたし、演じ切っていたと思います。
そして三浦透子さん!
初めて知った俳優さんだけど、
終始無表情の代わりに所々に人間味のある展開が用意されていました。
キャラクターも良かった。
キャップを被り、男っ気のある衣装に身を包む。
煙草をふかしつつ、その所作には女性らしさが残ってる。
ナイスなバランスです!
霧島さんのテープから聞こえる声や、
岡田さんの癖のある若い男感、加えて劇のオーディションメンバーも素敵です。
そして欠かせないのが、あの劇車!!
サーブ900初代、あの赤のボディがめちゃいいです!
そして、カセット式なのもまた良い。
天窓を開けて煙草を掲げる2人の手のショット。
サイコーに好きです。
観ていて、ジム・ジャームッシュの“earth on the planet”が思い起こされる美しい車内シーンが多かった。
ボケた街灯の光がとにかく映えてます。
物語は淡々と進むけれど、
終始、劇の台本練習と交差していく。
この切り替わりがいいテンポでした。
1日の終わりはほぼ必ず車シーンで、
こちらも小休止みたいな感覚になる。
もっかい、何でもない時間にぽやーっと観てたい。
なんなら、DVDがあれば今夜にでも観たい。
さらに言うと、車で一人出かけたくなる…優しい映画でした。
▼観た人に勧めたい映像リンク
https://youtu.be/govpaPZgt40