原作は未読です。
映画は、オープニングから独特の世界感だなと思いました。
ちょっと普通の感情では受け入れ難い夫婦の在り方、村上春樹らしいなと思う。
心中穏やかではないところを、さらりと流して見せるあたりが、私は嘘くさくてあまり好きではない。
しかし、映画はそう見せることで、のちに家福(西島秀俊)の後悔の念を浮き彫りにしています。
“他人の心をそっくり覗き込むことなどできない。そんなことをすれば自分が辛くなるだけ。まずは自分自身を深く見つめ、自分の心と上手に折り合いをつけること”
そんな様なセリフが強く胸に刺さりました。
専属ドライバーのみさきも家福も、愛する者の死に責任を感じて苦しんでいる。
でも、亡くなった者は、生きている者のそういう苦しむ姿を望んではいないはずだと思う。
亡くなった人に対して罪悪感を持って生きていくのではなく、その人を思いながら生きればいい。
亡くなった人の分も前向きに生きなきゃいけないんだなぁって事を思いました。
上映時間が3時間ちかくありましたが、長くは感じませんでした。でも、もっと短くまとめることもできた様に思いました。