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ドライブ・マイ・カーのringoのネタバレレビュー・内容・結末

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

長かった。けど良かった。
いやな長さでも疲れる長さでもなく、ただその場にスッと入り込める3時間だった。無駄なシーンもなく必要な尺だったし、間も必要だった。端折ってテンポ感だけ重視したらこの味わいにならない。一瞬たりとも倍速視聴はおすすめできない作品。

車内の静寂の中で音のテープの台詞が家福に語りかけるように時々刺さってくる。
緩急の付け方や展開、演出が巧みだからか小説のような言い回しや敬語の平坦な台詞でも眠くならない。家福も言っていたように、テキストが語りかけてくるような作品。それでいて、暗めなシーンが多い中、ひとつひとつが日常を描く絵画のようで見栄えする。

高槻が八目鰻の続きを語り始めたシーンがすごい吸引力で、自分も車内にいるかのような没入感だった。今にも溢れそうな涙を絶妙に溢れさせなかった岡田将生すご。めちゃクズだったけど、言ってる事正論なのでギャップすごい。笑
でももう少しイイ男要素あった方が、音が惚れた(寝た)のも納得できるのに。音が誰でも寝るような女に見えて少しやだったな。実際そうだったのかもしれないけど。

みさきさんの話は壮絶すぎて、淡々と語っているみさきさんの心を思うとぐっと掴まれるし、本当は音を怒鳴りつけたかったし弱い男でごめんと謝りたかったと正直に傷ついていた事を認める告白シーンはめちゃくちゃ泣いた。

最後、2人は結ばれたのかな?韓国での新しい生活のみさきさんは満ち足りていて美しかったな。
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