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あの夜、マイアミでのmendeのレビュー・感想・評価

あの夜、マイアミで(2020年製作の映画)
4.2
Netflixに『マ・レイニーのブラックボトム』があれば、アマゾンには『あの夜、マイアミで』がある。どちらも年末ギリギリに公開され(オスカー狙い?)、黒人スタッフ・キャストによって作られ、人種差別をテーマにしている。戯曲が原作ということも共通している。個人的には『あの夜、マイアミで』が圧倒していると思う。力強い作品だ。

マルコムX、カシアス・クレイ、サム・クック、ジム・ブラウンという黒人の有名人がマイアミである夜、一堂に会する。
彼らはそれぞれ功をなした有名人だが、それでも白人たちには「仲間」「同じ人間」としては認められず、ある者は恐れられ、ある者は侮られている。いくらスターでも、全米ナンバーワンヒットを出しても、金があっても、ヒーローでも、チャンピオンでも、黒人である限り、そんな扱いなのだ。

先鋭的なマルコムXと、彼から「白人に媚びている」といわれるサム・クックが対立し、ボブ・ディランの『風に吹かれて』の話になるのが意外だった。そうなのか。
サム・クックが彼のプロテストソングである『A Change Is Gonna Come』を披露するが、視聴者はいきなり英語のヒアリングを強いられる。字幕、お願いします。歌詞に意味があるので。

俳優陣はそれぞれすばらしいが、映画初監督のレジーナ・キングを特に称賛したい。
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