「主題歌に海援隊連れてこいや」
「初期名作のリメイクは全部蛇足」
…そんなふうに考えていた時期が、おれにもありました。
だが、本作はちょっと違う。
もちろん、元の藤子不二雄神の脚本があるからこその保証されたオモチロさというものはあるのだが、その良さを邪魔しない脚本、例に漏れず追加されたキャラクターも、これまでのような蛇足感がなく、バランスの良い配置加減。ウェットになりすぎないしっかりとしたスペース・オペラとして完成している。
何より驚かされたのは宇宙での戦闘。
『宇宙小戦争』と銘打つに足るど迫力のドッグファイトは完全に85年版を凌駕しており、板野サーカスまで披露してくれるサービスぶり。某EP7〜9よりも密度の濃い『宇宙小戦争』だ。ホント、よく出来てるなあ…!
あとビリーバンバン!!!
挿入歌の流れるタイミングは、実は85年版よりもよほど良い。
コロナ禍によって公開が延期された本作だが、奇しくもロシア×ウクライナ情勢の緊張が漂う現在にこそ「刺さる」内容でもある。
そしてもちろんコレは藤子不二雄神の原作段階からそうなのだが、ドラえもんたちに無人機だけを相手取らせることで、死傷者を一人も出さずにしっかり戦争を描いてしまう離れ業は、やっぱとんでもない。
見返りを一切求めないところがいいやね…。
エンディングの締め方も超キュート。
出来杉くんの使い方も好感が持てる。