まなみ

ボクたちはみんな大人になれなかったのまなみのレビュー・感想・評価

3.9
完璧な映画ではないけれどその不完全な感じが好きだなあ。刺さる人には刺さるし、刺さらない人には「ハイハイ、またこういうのね」かもしれない。けどそれでいいのよ。

誰かの人生を過去に辿っていく映画なので、その過程で自分の人生や想いと重なる瞬間があって、それが多いか少ないか深いか浅いかでたぶん感じ方にかなり個人差があります。
私の場合、犬キャラの曲たち、天使たちのシーン、彗星の使い所に持っていかれてしまってそれだけで80パーセントは「好き」。あとZOOM会議で取引先丸め込むところ、ウワこういうことする大人になっちゃったな自分も、良くも悪くも…って抉られたのが気持ちよかったです。エンディングは馬の骨だしもう最高。

恋人と夜の高速道路走らせながら「さよならなんて云えないよ」を大声で歌ったりした思い出が蘇ったり(恋人は今の夫)、みんなそれぞれそういう季節を思い出したりするんじゃないかな〜〜。

そういう意味で「花束みたいな恋をした」にも似ている…。コロナ禍の閉塞感あるし、どーしょーもなさはこっちの方が強いし、触れるカルチャーも狭い分花恋よりだいぶニッチだと思うけど。
ちなみに原作も好きだったけど音楽とリアルタイムの時代性が加わったぶん、映画の方が好きかもです。
まなみ

まなみ