このレビューはネタバレを含みます
芸人ってやっぱ格好いいよな。
事故の後遺症や年齢のせいか近頃はなに言ってるか聞き取りづらくなってきて、なんだよとため息出る時もあるけど、芸人のビートたけしも監督の北野武も大好きです。
洋ちゃんも柳楽くんも大好きです。麦ちゃんも。
たけしさんを演じるってまたハードル高いことを映画にしちゃってさ、面白くなるの?と迷ってたけど観てよかったです!とても。
CMでも見かける「笑われんじゃねえぞ、笑わせるんだよ」と言う師匠がめちゃくちゃ格好よくて泣けて、「見てもらってんじゃねえんだ、芸を見せてやってんだ」でさらにグッときます。
「そうやってね、夢見てのたれ死んでくんだよみんな」と言われて「だったらおもしれえ死に方して笑わしてやるよ」と随分粋な返しをするたけしにワクワクして。
一番たまらん台詞、師匠やたけしの「芸人だよ馬鹿野郎」は監督のOKがなかなか出なくて2、30テイク撮ったらしい。それだけこの言葉は重要で大切なものなんだなと感動。
すべての登場人物の掛け合い、関わり合いが程よくたのしい。キヨシさんがね、山形弁でずっとニコニコ飄々としてて穏やかなのよね。
人情があっても人は変わってしまったり寂しい思いしたり、孤独だったりするのも辛いし、こんな死に方するのかってのも悲しいし。でもたけしが天下取ったのは師匠のためでもあるのかな、なんて思いました。座頭市の一人タップのシーンも、もしかしたら師匠への思いを表現してるのかな。
愛されるのはなんだかかわいいからなんだよな。
泣いてたからエンディングがポップでよかった。