掛谷拓也

浅草キッドの掛谷拓也のレビュー・感想・評価

浅草キッド(2021年製作の映画)
3.7
これを見るためにNetflixに加入。
松村邦洋は時代別に何種類もビートたけしのモノマネができるらしく、彼が演技指導した柳楽優弥への違和感は見始めてすぐなくなる。片方の顔をしかめるクセ、頻繁に首をかしげる姿、ポケットに手に入れた様子などまさにビートたけし本人にしか見えない。
時代遅れになりながら芸の道を指導するダメな師匠深見千三郎に大泉洋のうさんくささが良い。
芸者しながら深見を支える鈴木保奈美が艶っぽく良い。
漫才シーンにはナイツ土屋がビートきよし役で出演。完全に漫才として成立している。
柳楽優弥が恋心を抱くストリッパー役の門脇麦はこの映画で初めて見た。雰囲気、歌、演技どれをとっても素晴らしく今後も楽しみ。
難があるとすれば、深見千三郎やビートたけしのキメ台詞がこれまでによく知られた言葉で新鮮味がないことと、半生を知る観客には筋に意外性がないことか。どうしても後半のストーリーが人情話に。
日本の漫才師を主人公にして、映画が成立するのかに興味があったが成立している。
次は映画監督北野武の成立を描いた映画を見たい。無理かもしれないが。
あと、このポスターのデザインはもう少しなんとかならないか?