わみにん

浅草キッドのわみにんのレビュー・感想・評価

浅草キッド(2021年製作の映画)
4.2
たけし全盛期の頃はまさに私の青春時代でして、木曜深夜のオールナイトニッポンをいつも聴いていました。浅草時代の話はラジオの中でもよく出てきたし、あの頃彼が書いた小説もよく読んでいたので、脳内ではすでに当時の頃を知っていたような気分。今回映像化されたのを見て、そうそうこんな感じ!とか絶賛していました。実際見たこともないくせに(苦笑)劇団ひとり監督、当時のセットに苦労したとTVで言ってたけど、苦労の甲斐は十分あったと思います。

きっと今では「バカ野郎」とか「この野郎」とか怒ってくれる人がいなくなるほどスーパースターになったたけしに、こんな若造の頃があったんだと思うとなんか妙な感じ。今ジジイになっても、うっとうしいくらいに小さなボケをかましたり、陛下即位の式典でまでボケてたりしたのもここが原点か!と今さら分かりました。すごい芸人魂植え付けられたんだなぁ。

最後はちょっと悲しいけど、これぞ芸人という感じで「幻の浅草芸人」にふさわしい生き方だったのかな。弟子がバンバン活躍するのは嬉しかっただろうな。

キャストに関して、これ以上はないほどの配役。柳楽くんのたけしに圧倒され、大泉洋さんの師匠演技に泣き笑いし、他の出演者も誰ひとり違和感なし。最高です。劇団ひとり監督、これからも頑張ってほしいなぁ。