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キャラクターのりのネタバレレビュー・内容・結末

キャラクター(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

怖面白かった〜!!!
予告で2人の共作ってあったから、先生も殺人事件の黒幕なのかと思ってたけど結果的に共作になってしまったのね
自分にはキャラクターを生み出す才能が無い先生と、戸籍もなく自分が何者か分からないもろずみという、2人の「キャラクターを持たない人間」の偶然の一瞬の交わりで34の殺人鬼(名前忘れちゃった)が生まれたんですね、、、そいつの絵がずっと部屋でこっち見てるのが怖かったなあ

結局先生ももろずみの指摘通り家族へのコンプレックスがあって共鳴したんじゃないだろうか、だって漫画の最初の事件こそ自分の体験を元にしたものの、次からの4人家族殺害事件は先生が勝手に自分で調べて選んだテーマで、だからこそそれにもろずみが共鳴しちゃって、「先生も4人家族が幸せの象徴だと思いますよね」的な発言になったんだろうな
いやあこれは、先生大分共犯者ですね
事件前は優しい人だったんだろうけど、最初の事件でもろずみにつけこまれる弱さがあったんでしょうね、「人は見かけによらない」っていう刑事さんの言葉も意味深になってくる。。人は見えてるものが全てじゃない、最後殺人しかけたり、自分の家族を危険に晒すようなストーリー描いたり、狂気的な要素もはらんだ人だったのかな
でもそんな自己のキャラクターの不在に病む先生を励ましてくれる清田刑事は良かったですね、、、清田刑事が亡くなった後、最終話を描く決意をして涙ながらに描く姿とか、出版社が勢いづく感じとか、弔い合戦感が胸熱だった。全体通して、1ページ1ページ命を吹き込む様子とか、編集者と悩みながら作品を作る描写をみて、漫画へのリスペクトが深まった。
ストーリーは伏線回収される感じとか面白くてほんとに予測のつかない少年漫画を読んでるみたいな気分でした
あとはfukaseさんのサイコ感が良かった!!!最初の事件では銀髪だったから漫画読んでからピンク髪に髪染めたのかなあとか、最後には伸びてきて黒髪になってたりとかディティールへのこだわりのおかげで更に楽しめた!
そうか、もろずみが盛り上がっちゃったのは何者か分からない自分に、34という漫画の中でキャラクターが与えられたからなんだな、最後の裁判とベッドのシーンで答えを突き付けられるのが良かったですねーー
実行犯のおじさんが捕まっていないのと、最後の刃を研ぐ音みたいなのが事件はまだ終わっていないの匂わせすぎてて怖い、、、
り