ふぇりな

キャラクターのふぇりなのネタバレレビュー・内容・結末

キャラクター(2021年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

推し主演作で内容的にもどう足掻いても好きになるやつだったので、ずっと観たいと思ってました。うん、やっぱりめちゃくちゃ面白かった~~~!!!

まず、なんと言っても、殺人鬼両角くん役のFukaseさん。演技上手すぎない!?!?確かこの役が初演技でしたよね…?あまりにもリアリティがありすぎるといいますか、自然で、ズレてて、鬼気迫っていて…全く違和感がありませんでした。作中の「殺人とかは実際できないからリアリティがない」みたいな話からすると、Fukaseさんは人殺したことあるみたいになっちゃいますけど、そうでなくてもこんなに素晴らしい演技ができるんだから、ある意味ではこの映画の存在自体が皮肉ですよね。フィクションってすごいよ。感動しました!!!

Fukaseさんの演技がずば抜けているので、どうしても他の方の印象が霞んでしまった気がしますが、そうはいっても皆さん適材適所で、全員がハマっていたと思います。小栗旬さんの真っ直ぐな演技も、高畑充希さんのあたたかい演技も、中村獅童さんの柔軟な演技も(ちなみにかなり終盤まで彼のこと疑ってました、すみませんでした…笑)素敵でした。
それからもちろん、我が推し菅田将暉さんもとても良かったです。最初のびくびくした貧乏青年も、売れてからの大御所感も、そして終盤の狂気も…全部好きでした。少し不自然さを感じることもあったのですが、後々の伏線回収からするとそれも自然と思えました。また、特にパニックになった時や恐怖を感じた時の呼吸の演技が見事で、夢中になりましたね…やはりああいう役が似合います。これからもダークな役、期待したいです!

内容の方も、演出が若干チープというか、コテコテかな?とOP時点では思っていたのですが…それからはもう先が気になって気になってしょうがなかったです。グロ描写も、ゴリ押しというわけではありませんが、力が入っていてよかったですし、殺人や「キャラクター」たちの経緯があとから判明する伏線回収や、2転3転して驚愕の着地をする最終回も最高でした。フィクションの中の殺人鬼が大好きな人間にとって、ここまでやってもらえたら文句はありません。興奮しまくりました。笑
まあ、気になったところがなかったわけではなく、こんだけ内容被ってたらさすがに発禁からの逮捕だろ~とか、警察ショボイな~とか、妊娠中の奥さんに対して冷たすぎるだろ!!家事とかもあんたがやりなさいよ!!とか、いろいろ思いましたが(笑)、その辺には目を瞑ります。他が良かったので許しますね(何様)。

あと、永井監督ってどっかで聞いたことあるな…と思ったら、大好きな「帝一の國」の監督じゃないですか!!またしてもやられましたね~、ファンです!笑 彼の次回作にも期待したいですね。

最後、山城さんは、本当に「全てを終わらせ」たかったんだろうなと思いましたし、彼の中に残虐性があったことは間違いないと思います。どこからどこまで彼の想像通りになったのか、そこは気になりますが…多分、最初から全部わかっててやったんだろうなあ…その方が美味しいので。笑
それから、両角くんのほうは、戸籍も名前も生年月日もなんにもなかった空っぽの彼に、「キャラクター」としての居場所を(創作ではありますが)作ってくれた山城さんに対して、本当にファンになったというか、嬉しかったのだろうなと感じました。もう少し出会い方や関わり方が違えば、相乗効果で素晴らしいことになったと思いますが…それは色んな意味で無理でしたね。でも、だからこその最後の笑顔だったと思うし、彼らもお互い悔いはないのではないでしょうか。

ひさびさに邦画で面白いサスペンスを浴びることが出来て、幸せでした。
ところで、私もなんとなく、4人家族っていいよなあ、それが一番なんか幸せな感じする、って考えはわかります。私は3人家族なので憧れていて…。そういえば、両角くんにも上か下に誰かいたのかな?オチも不穏だし、多分辺見が狙ってると思うので、色々と想像が膨らみますね…。いい作品でした。
ふぇりな

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