ラジオや手紙は『熱帯魚』『ラブゴーゴー』と同じく、幼い頃の心の支えでその後の人生を左右するものとして象徴的。
大人になっても主人公の二人にはそれは進行形で存在し、瞬間を切り取った写真は時間を超えていく。
SFファンタジーの設定がコミカルな雰囲気でバカバカしくも、どこか心地よく包まれます。
人とは違うテンポで疎外感の中で生きていると自分に優しくするのはなかなか難しい。
誰もが一度は感じたことのあるそういう気持ちを、スルッと心の隅に落とし込むのが上手い。
だからこういう物語があっても良いんじゃないかと思わせてくれました。
バスが海辺を走るシーンがとても綺麗。
監督の優しさと愛を感じる作品です。
