しちれゆ

カラーパープルのしちれゆのレビュー・感想・評価

カラーパープル(2023年製作の映画)
4.0
1985年の元映画をほぼ踏襲、スピルバーグ監督へのリスペクトゆえでしょう。
ミュージカル仕立てなのでライトな作風になってはいるがやはり辛く悲しい物語。
以下 元映画でも感じたこと。
有り得なく非道で横暴な夫を持ってしまった女性でも10年も経ってしまうと共に過ごした時間が -愛情とは言えないとしても- 夫への情けとか許容の感情を生んでしまう。諦めや慣らされもありながらある種の洗脳のような事態を招いてしまうことが見て取れて、それは昨今のDV夫やモラハラ妻を持った配偶者にも見られる事象でもある。支配されつつもその隷属にこそ自らの存在意義を見い出している人々は今も一定数いるのだ(脱線)。
リメイクの本作ではミスターの改心がはっきりと描かれていて、40年に渡る長い年月の大団円が慈愛に充ちた風景であることが救いである。
大きな樹を囲む復活祭の食卓。黒人たちの纏う白い衣装が美しい。心優しくそして強く生きた姉妹に幸あれと願う。
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