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アメリカン・ユートピアのgcpのレビュー・感想・評価

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)
5.0
This must be the placeこそがわたしの人生のテーマソングだと信じるようになってから文字通りHOMEである家への愛着が強くなったようにおもう。たくさんの植物と棲み花をかざり音楽を鳴らし身体がよろこぶ食事をつくってはありがたくいただく。ちょうど今朝、休日として過ごした家での時間。家は自分が自分でいられる最高のユートピアで、よりよい家になるよう日々あれこれ考えている。
今日までデヴィッド・バーンがこんなにも社会的メッセージをストレートに提示する人だと思っていなかった。監督のスパイク・リーとの繋がりに首を傾げてすらいた。しかし幕が上がり最初こそ論理的で無機質な世界観に感じて身構えてしまったものの4曲目のThis must be the placeを聴いたら自分の中で見事にぜんぶ繋がった。Everybody's coming to my houseがまさにそうでストップメイキングセンスを観て感じていた抽象的なイメージがやっと理解できたきがする。高校生の時初めて太宰治の『斜陽』を読み『恋と革命』という言葉が衝撃的で気が遠くなったのをつい思い出した。いまさら全人類のユートピアについて考える。わたしもうまく踊れないし、さいきんはすぐ息切れしてしまう。その姿は醜いのだろうか?彼らはプロの集団で緻密に創られていながら自由だった。またスマートなようで野生的だった。それは完璧なショーであり生きることの情熱や喜びまたは怒り、願うことの重要性や祈りのパワーがいかに身近で共通で忘れがちで取り戻す必要があるかを説いている。もはや宇宙のように未知の域で寛容で美しく少しでも自分に反映できたらと、たぶんもう1回は劇場に行くとおもう。その時はどうかスタンディング上映で。キノシネマは席がなくプレミアムシートしか選択肢がなかったけれど、ふかふかだろうがこの映画にはとにかく椅子が必要ないんだ!
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