このレビューはネタバレを含みます
訳あって公開前に試写で鑑賞。
本作は親子のつながり、人と人とのつながりを感じ、大切な誰かを想わずにはいられなくなる映画でした。
教会の牧師である御堂一男(ムロツヨシ)は、娘のひかり(中田乃愛)と二人暮らし。クリスマスの夜、ひかりが突然倒れるところから物語は動き出す。愛を信じる一男は、思わぬところから明らかになる事実にも、まっすぐに向き合い続ける。一男の愛は、疑いや苦悩、変えられない事実をも超えていく。そして、愛に勝るものはない、と優しく強く教えてくれるーーーー。
ムロさんのすべてを曝け出して、すべてを賭ける父親を表現した迫真の演技がとにかく素晴らしい。目の動き、顔の表情、間の作り方、すべてが絶妙。
それに優しく折り重なる中田さんのみずみずしい演技。ふたつの感性が思春期を迎えた娘とその父像をとてもうまく描き出していたと思う。
そんな本作のカギとなる父娘の関係はコロナ禍で撮影がストップしているなかでも「父より」「娘より」のメールのやりとりを続けることで、父娘の時間を構築したんだとか。
ムロさんが役者人生25年で掴んだ初主演映画への気合いをとても感じました。