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人肉村のhoteltokyoのレビュー・感想・評価

人肉村(2020年製作の映画)
2.8
男女4人のある訳ありカップルが道の途中で車がエンスト、そのまま助けを呼びに2対2に分かれて森をさまよっていた。片方は運良く小屋にたどり着きそこにいた男に助けを乞う、もう片方は茂みの影からポラロイドカメラをこちらに向け、写真を撮る1人の男と遭遇し不安を覚える。この時点ではまだ、自分たちが踏み込んではいけない領域にたどり着いたことに気づいていなかった・・・的な物語。

過去の伝説的なスプラッター映画に敬意を表し、それに対する答えと信念を作り出そうとした奮起したディレクターであったが、カメラマンやエキストラ、監督や出演者含めて誰もがB級映画を撮影している気持ちはないのにも関わらず、最終的にはごく自然にB級映画が仕上がってしまった映画、それがこの「人肉村」である。

森、カップル、車の故障、髭面の兄弟、飼う、サイバイマン・・・わりかしホラーに想定できそうな全てがここに詰まっているBオブザB。ただしBといっても毎年オースティンで開催されるジャンル普及を目的とした映画祭「ファンタスティック映画祭」では高い称賛を得たそうで、既視感ナニソレという前提で撮られている。だからこそ「ああこうなるであろう」と思わせるながらならない危うさが、良い意味で期待の裏切りになっており、そもそもタイトルからすでに裏切られていたことに気づく時には、既にスクリーンから目が離せなくなっているはずだ。
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