天パ太郎

14歳の栞の天パ太郎のレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
4.8
春日部にある中学校2年6組に、最後の数ヶ月密着。
35人全員にそれぞれカメラを回し描いたノンフィクション。


別に劇的なストーリーが起こる訳でもないのだが、普通に公立の中学校に行ったら、経験したことや、こんな奴いたなぁみたいなものが思い出される。
個人的には、バレンタインとホワイトデーのお返しの下りは、忘れたものを取り戻した感じで胸が熱くなる!笑
逆に、野球部の部員が1人しかいなかったり、ネットの普及に伴う遊びの違いとか、自らの世代との差も感じるところもまた面白い。


密着しても中々クラスの実像は描き出すことが難しそうなところを、見事な構成で浮かび上がらせてる感じが凄い。
同じ映像を見ても、違う生徒のシーンから始めると全く違う映像に見えるのは中々秀逸。
勿論カメラが回っているので、ちょっと優等生的であったり、逆に照れや不良感を出している部分も往々にしてある訳だが。


企画として面白そうだけれど、許諾周りよくやったなという執念、そしてじっくり密着して思春期の生徒たちの懐に入り込む努力、なるべくクラスで起こってる現象を描こうとする構成。
全体的に魂を感じる映画です。

ディスク化も、配信も難しそうで、マネタイズ大変そうだけど、この春に合わせてじっくり観てもらおうという配給の姿勢も良いなと。応援したい一作。
天パ太郎

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