Yukiko

カビリアの夜のYukikoのレビュー・感想・評価

カビリアの夜(1957年製作の映画)
3.8
2022年4月6日
『カビリアの夜』  1957年イタリア制作
監督、フェデリコ・フェリーニ。
他の監督作品に『8 1/2』『道』がある。

イタリア。ローマ。
郊外の石造りの家に住むカビリア(ジュリエッタ・マシーナ)
は独身の貧しい娼婦。
ある日、恋人から持っていたバッグを盗まれ、カビリアは
川に突き落とされる。
助けられるが、恋人の安否を心配するようなカビリアだった。
他の娼婦から諭され、事の真相を考え怒りはするが、すぐに
立ち直り、明るく陽気に振舞う。


一度あることは二度ある。
なんて、純粋で信じやすい人なんだ。

しかし、独身一人暮らしで、こんなふうにコロッと
すぐ騙されて良いものか。
甘い言葉には訳がある。
タダほど高いものはない。
奢ってくれたら、奢ってもどさないと。
人にお金があるところを見せてはいけない。・・・と思う。

カビリアの健気で、純粋で、明るい性格の良さを
誉めるべきか。
娼婦をやっていて、苦労しているはずなのに。
酸いも甘いも知っているはずなのに。
その騙されやすい面を、どうにかしないと。

ラストの終わり方に、どうにも釈然としない私です。
ローマの警察は頼りにならないの?
警察に訴えないと、また別な人が被害にあうかも。

でも、純粋であるばかりに人を信じやすく、それ故騙され、
それでも前を向いて明るく生きようとするところを
描きたかったのだろうなと思う。

ジュリエッタ・マシーナさんが、一見、不良娘のような
突っ張った生き方をするカビリアを、歩き方から眉の
描き方やら、上手に演じていた。
Yukiko

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