みーゆー

偶然と想像のみーゆーのレビュー・感想・評価

偶然と想像(2021年製作の映画)
3.7
分からない


何年、何十年と共に生きてきた自分の気持ちが「分からない」「分かりません」なら他人の気持ちなんてめちゃくちゃむずいだろ。難ゲーにも程がある。

淡々と繰り返す会話。機械のように発して、小説のように口から出していく。理解しようと頭に入れるんだけど、入れていく間にちょっと待てなんの話してんの?って思うんだけど、この登場人物たちはなんてことなく会話を進めていく。

気にならない、ようななんてことないこと言ってんのかもしれないけど気がついたら引き込まれて聞いていた。登場人物に感情がたくさん入ってたら、きっと嫌悪感が出てしまいそうだからこれで良かったのかもなあ。ちょっとした喫茶店で隣がこんな会話してたらイヤホン止めて聞いちゃうのかも。そんな感じ。

人生って結局ちょっとした偶然が積もり積もって繰り返されて、想像するだけで成り立ってるのかも。自分の身近にはいないけど、「いるかもしれないなこんな人たち」の話が確かにそこにはあった。ほら、想像なんてするだけ無料ですし。タダならいくらでもするでしょ、人間だもんで。

「何にでもなれたはずなのに、ただ時間だけが過ぎていった」
時間って同じなのに人によって違う時間に感じるものだ。長くて、短い。関係が何もない真っ赤な他人のほうが案外なんでも喋れたりするよなぁ、と思った。は〜〜あ時間に殺されないように想像しよっと。