うん、これらの偶然を想像して堂々と作品にしちまった濱口竜介監督…変な魔法に掛けられたような余韻。
そんな本作は３編のオムニバス作品で…
親友が気になってると話した男、何と２年前に別れた元カレだったと気づく「魔法（よりもっと不確か）」
芥川賞を受賞した大学教授に落第させられた男子学生が、逆恨みから親しい女子学生に研究室でハニートラップさせようとする「扉は開けたままで」
仙台市で高校以来の20年ぶりに再会したはずだった2人の女性のやり取りを描く「もう一度」
で、１編目はオーソドックスで、偶然と想像がしっくり来ていて、２編目はなかなかの変化球で、想像からの偶然の面白さで…３編目になるともはやコントみたいながらも、最も後を引く意外さにニンマリ。
そう、ほぼ会話劇になり、各短編の終わりのみクラシックが流れるので、VRな読書をしてたかのような…なかなかの貴重な体験でしたね。
にしては、個人的にはこの監督は長編より短編がハマってそうなので、また楽しみに待ちたい。
なお、俳優陣では、１編目では、古川琴音の奔放さが良きで…中島歩と玄理らが受けのサポート。
２編目では、森郁月が魅力的で、 渋川清彦の貴重な役にニンマリ。
３編目では、占部房子と河井青葉の掴みどころのない演技対決にニヤリ。
