ギルド

イントロダクションのギルドのレビュー・感想・評価

イントロダクション(2020年製作の映画)
3.3
【広がる余白の前に佇むスキンシップの愛情たち】
■あらすじ
将来の進路も決まらず、何者にもなれずにいる青年ヨンホ。韓国とベルリンを舞台に、折り合いの悪い父、夢を追うため海外へと旅立った恋人ジュウォン、ヨンホの進路を心配する母との再会と3つの“抱擁”を通し、彼の人生をひも解いていく。

■みどころ
自分を見失い愛情に演技や申し訳無さを覚えて罪と感じる青年の朧気な光を追体験するような映画だった。 1時間少ししかない本作には多くの余韻と紐解きが委ねられる。

ホン・サンス作品は初めてで濱口竜介「偶然と想像」でも引用されたホン・サンスズームという特許のような技法を本作で体感出来た。
本作だとナイーブで心情が揺れ動く青年を助けるのは抱擁を通じた愛情で、その起点にはズームインがあると感じました。

モラトリアム期間の中で不安定な心情を支えるのは恋愛とは違ったスキンシップを取った愛情であるのは良い主題で、何気ない日常会話が多い作品ながらも"会話の力学"、"物語の推進力"が弱くて余白だらけの映画って感じがしました。
ひと押しが欲しい…そんな映画
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