カカポ

ボーはおそれているのカカポのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.0
全体的に訳分からんすぎて見終わったという実感がないが、確実に笑わせにはきているため、最悪のボボボーボ・ボーボボって感じだった。風呂場の不審者とかチンポコモンスターとかもはや文脈を超越しすぎていて、ビュティのツッコミを待ってしまう自分がいた。ただ、そんな感じで基本ギャグなのに、部分部分では嫌な子供時代の記憶を妙な解像度の高さでまさぐられる感じがあり、見た後の一日は何もやる気が起きないあたりやはりアリアスター作品だなと思った。

子供の頃って世界への解像度が低いから突飛な想像をして不安になる事あるじゃないですか。私は小さい頃、自宅に強盗が入るのと、親が山道で熊に襲われるのと、病気で失明する想像をよくしては勝手に怯えてたんですが、そんな感じの「こんなこと起きたら嫌だな〜」が3時間続く。まあ主人公は子供じゃなくて、ホアキンフェニックス演じるなぜか子供みたいな中年男性なんですが………

ボウの母もまあ親としては最悪な人間ではあるんですが、「無理やり愛を絞り出してきたんだ」みたいな台詞だけはまあなんか分からんでもないなと思った。(だからと言って子供の愛を試したり、愛の見返りを求めるのはとんだお門違いだが……)

かなり序盤から物語として認識することを諦めていたので、最後の最後のあたりの例のネタバラシすら全然気づかず、のちのち夫に「アレって〜」と話振られて初めて気づいたし、もちろん宗教的な事も何にも分からんかった。まあでも、横の客が無限にポップコーン食い続けてた事も含めて「ただただ不愉快な気持ちになる」みたいな映画体験も時には必要だよね。3時間は長すぎですが。
カカポ

カカポ