あおは

ボーはおそれているのあおはのネタバレレビュー・内容・結末

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞したのが1週間以上前である上に、内容も難解だったため、かなり曖昧なものになっている。

3時間という大変な長さに加えて途中から理解が追いつかなくなる難解さもあるため、一度観ただけでこの作品を解きほぐすのはかなり難しいのではないかなと思った。

お話全体をとおして理解できたところもあれば、難解で理解しきれていないところもあるし、監督の伝えたいことも解釈の幅がかなりある気はした。

今作は暗い画のなかで何かが蠢く音がしたり女性の声がしたりするところからはじまり、これが何なのか分からない恐怖と不安をいきなり植えつけられる。それが出産のシーンだと分かると、叫んでいたのは母親であることが分かる。今思えば、これも伏線の一部なのかもしれない。これが物語のはじまり、つまりボーの人生のはじまり。

初めはボーが自身の家やその付近で不安と恐怖に犯されている。現実と幻が混在しているのかなとも思えたし、偏執症や強迫性障害かなとも思えた。
これもラストのほうで明かされるが、母親の拗れた愛情のせいなのかもしれない。

ボーは主人公であるはずだが、自ら行動を起こして打開するというよりも迫り来る運命から逃げて被害を受けて逃げて被害を受けるというように、受動的に話が進んで行く印象を受けた。これも母親に彼の人生を支配されているということなのか。そしてボー自身も愛されたいがためにそれに応えようとして生きてきて、それがどこかで自己に反すると分かっているから精神的な病にかかるのだろうし、息子をそこまで陥れても自分への愛を確かめようとする母親には恐怖以上のものを覚える。

言ってしまえば、自分の愛に応えてくれない息子を裏切りと捉えて復讐をする母親とも見えるお話。と見えながらも試しているようなところもある気はする。

未だ理解しきれていないのが悔しいからもう一度観たいと思うけれど、3時間の壁が高い。
あおは

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