ShinMakita

ミッション:ポッシブルのShinMakitaのレビュー・感想・評価

ミッション:ポッシブル(2020年製作の映画)
1.7
中国の軍基地から大量のトカレフが盗まれた。韓国の武器密売組織による犯行だ。中国国家安全部MSSは組織摘発のため動き出す。しかし事件は韓国の管轄になるため、ハナからMSSは解決の責任をとるつもりはなく、適当な捨て駒要員を1人派遣するにとどまった。というわけで、北京大卒の才媛である新人諜報員ユ・ダヒが韓国にやってくる。私立探偵を隠れ蓑にしている国家情報員のスパイ〈蜃気楼〉を頼り探偵事務所にやってきたダヒだが、どうも応対する「探偵」ウ・スハンが頼りない。高額ギャラさえ払えば何でもやるというガッツはあるが、とてもスパイには見えないのだ。それもそのはず、実は〈蜃気楼〉が交通事故で事務所に来られず、スパイでもなんでもないフツーの探偵であるスハンしか居なかったのだ。相手がド素人とは知らずバディを組むことになったダヒと、うだつがあがらない貧乏探偵のスハン。果たして彼らは密売組織を摘発することができるのか⁉︎


「ミッション・ポッシブル」

以下、ネタバレ・ポッシブル

➖➖➖

密売組織があまり大掛かりに見えず、結局韓国の暴力団にトカレフばら撒くだけというのにションボリ。話にスケール感のないところが弱点かな。

しかし、「ノンストップ」や「エクストリーム・ジョブ」の時にも思ったんだけど、韓国映画ってアクションコメディーにおける〈アクション部分〉に全く手抜きが無いのが素敵。本作も、アウトラインだけ聞いた限りでは「はいはい、中国の女スパイがアクション担当で、探偵の方がお笑い担当なのね」と思い込んでしまうけど、これが良い意味で裏切られます。実はハードアクションを見せるのは探偵スハンのほう。アタマが弱くカネの亡者で、星野源的な愛嬌スマイルだけが武器のように見えるんだけど、ね。ナメてた相手が殺人マシーンでした系の映画なんです、これ。スハンは「アジョシ」同様に元軍精鋭部隊の近接戦闘のプロ。そのナイフアクションはかなりカッコいいです。スハンが突然真顔になる斧組襲撃シーンには高揚しましたね。敵用心棒の3人との死闘〈ユーリ戦は、「レイダース」パロディか〉も迫力がありましたし、ガンアクションも安っぽくありません。

というわけで、料金ぶんは普通に楽しめる一本。美人のヒロインに腐ったジュース飲ませて下痢させるという酷さも韓国らしいです。
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