得意ではないジャンルの作品だけど評判が良かったので。
同性愛者の話だから重い感じかなぁ〜と身構えていたところ、意外や意外、思ったよりもマイルドに表現されていて、エンターテインメント作品として普通に楽しめた。
勿論シビアな描写や、ナイーブな側面に切り込む言葉もあるけれど、純粋な恋愛としてそれぞれ登場人物が向き合っている。
特に印象に残ったのは純(神尾楓珠)の親友で三浦(山田杏奈)を好きな亮平役の前田旺志郎。主演の二人も去ることながらこの伏兵が抜群に映える。
作品の影の主役と言っても過言ではない存在感を発揮し、彼がいたからこそ成立したと思えるレベル。こんな友達がいたらそれだけで人生の苦しさが半分になるような、最高に気持ちの良い性格。
鑑賞中、亮平がいたから救われた部分も沢山あった。
偏見や先入観、根付いた固定観念が邪魔をしてすんなり受け入れることが出来ないセンシティブな問題を紐解く本作。
そもそも受け入れるとかではなく、人として当たり前に尊重して、付き合えればそれで良いような気もした。
性質や性別ではなく人間性や中身の本質を見て一緒にいる事が最も大切な事であり、『人として好きかどうか』この点にフォーカスしていたのも興味深かった。
