みーゆー

そして僕は途方に暮れるのみーゆーのレビュー・感想・評価

そして僕は途方に暮れる(2022年製作の映画)
3.6
逃避


なんか、なんか、なんか、なんかなんかなんかなんかなんかなんかうっせーーーーー!!!!ってわたしの中の香里奈がCMバリに取り締まってたね。

「逃げる」のは簡単で「立ち向かう」のはめちゃくちゃ難しいそんなこと生まれて何年も経てば分かるはずなんだ。簡単なことはすぐに近くにある。でも、難しいことだって少し考えてちょっと頑張ってみたら割と近くにあるのかもしれない。その1歩がすぐつま先にあるのか、めちゃくちゃ遠くにあるのかは置いといて。

ここまできたら逃げるよな?今だよな?ってタイミングが分かりやすくて笑っちゃうくらいのクズを久しぶりに見た。仕事がフリーターでもいいよ、彼女の方が稼いでいてお世話になるくらいいいんだよ「ありがとう」「ごめんね」これが言えないのは本当にダメだ。なんでトイレットペーパーの1つも替えられないんだよこいつは。

122分の中ではなんでこいつは…と思うことばかりでどう頑張ったって私だったら「許す」ことは出来ない気もするけど、それでも彼の周りにはわりと人間性を嫌いになれずにそばにいてくれたりする。それだけで「素晴らしき哉、人生!」なんじゃねえのか、なんて他人事のように思った。なんせ他人だから。とりあえずお前はネギくらいは切ろうな?

何度も、何度も、振り向く様が頭にずっと残る。
はじめは何かに怯えていて、ここから逃げたくて。終盤の特大ヒントを得た振り向きは確実に「おもしろくなってきやがったぜ」と主人公のようだった。誰もが人生の主人公だ、裕一の人生なんてまだまだきっとこれから。……っすよねぇ?