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都会の女のkyokoのレビュー・感想・評価

都会の女(1930年製作の映画)
4.1
シカゴで恋に落ちた田舎の男と都会の女。
結婚して男の家に着いた早々、彼女は農場主として威張り散らす義父にとんでもなく嫌な態度を取られた上に、父親に言いなりの夫ともすれ違ってしまう。あげく荒くれ農夫に迫られた妻の決意とは……

結婚したふたりが広大な麦畑を走るシーンのその見事な疾走感!そこが幸せの頂点とばかりに、太陽の光とあふれる幸福感でめちゃくちゃ美しく感動的だった。
小麦の刈取り場面もすごい迫力。なにこのマッドマックスのドーフワゴンみたいな農機具は。
小麦の競りやダイナーの慌ただしさといった描写も楽しい。

チャールズファレルの優男フェイスが今作の情けない息子という役に見事にはまっていた。いじけキャラがなかなかにイラつく。
対して女は強い。ムルナウの描く女性像って優しさに芯の強さが備わっていて、男を許す寛大さが尋常じゃないのよね。
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