回想シーンでご飯3杯いける

先生、私の隣に座っていただけませんか?の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

2.7
漫画家夫婦で、最近はどういうわけか殆どペンを持っていない夫(柄本佑)は、雑誌編集部の担当(奈緒)と不倫関係にある。夫の不倫を確信した妻(黒木華)が、現実とそっくりの新作を書き始め、それをたまたま見かけた夫が焦る、というストーリー。

現実と漫画の世界が交錯する脚本が秀逸で、中盤過ぎ辺りまでは興味深く見ていたのだが、、、、。

うーん、あまり口数が多くないこの夫婦が、そもそも互いの仕事についてどう考えているのか、少なくとも作品内では触れられていない。そして、編集部の担当が何を思い家族ぐるみの付き合いがある男と不倫しているのかも全く描かれないし、これといったラブシーンもないので、どの程度本気で不倫しているのかも分からない。妻が憧れる男の人物像もほぼ描かれない。この状態では流石に僕も退屈してしまい、後半は何だかどうでも良くなってしまった。

結局のところ、多くの日本人が持っているであろう「不倫ダメ、絶対!」という価値観をベースにしたお話でしかなないようにも思え、お行儀の良い映画だったという印象しか残らない。漫画家ならではの夫婦関係や、この業界ならではの不倫事情みたいなものを少し挟み込んでくれれば、もっと面白くなったと思う。