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コーダ あいのうたのYoneのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
5.0
✒️予告未鑑賞、観賞後パンフレットを読みました。サンダンス映画祭で数々の賞を受賞し、脚光を浴びた作品がついに日本でも公開!
✒️あらすじ
舞台は現代、豊かな自然に恵まれた、マサチューセッツ州の小さな海の町。主人公のルビーは、両親と兄が聾唖であり、家族の中で唯一の健聴者である。家族の通訳係として、家業のトロール漁も手伝いながら、学生生活を送っている。新学期になり、秘かに憧れるクラスメイトのマイルズと同じ合唱クラブを選択するルビー。ルビーの歌声を聴いて、彼女の才能を見抜いた顧問の先生がマイルズとデュエット曲を歌うように言い渡す。また、音楽大学への受験を勧められ、夜間と週末の特訓も始まる。だが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず、家業、家族が大切だと猛反対。ルビーも家族と自分の夢で葛藤をしていく‥
✒️総評
コーダは「ろう者の親を持つ健聴者」を意味するということをこの映画を観るまでは知りませんでした。また、自分は聾唖の人と日常で関わることが少なく、手話などの知識は恥ずかしながら、全くありませんでした。ただ、この映画を観ていて、アメリカ式手話によるコミュニケーションがとてもかっこよく、また、美しく見えました。
この映画は健聴者の中でも聾唖者の家族を持つルビーが主人公であることで、健聴者と聾唖者の主張を偏重なく両方の面から観ることができるのが他の作品にないところだと思います。父や母、兄は耳が聞こえないことによる、健聴者との生活の難しさをしっかりと描きつつも、耳が聞こえないことが全くマイナスな面に感じず、むしろ自分にはないものを持ってるという、憧れすら感じました。妹に今まで頼ってきたことに悔しさを感じる兄、レオがその想いを打ち明けるカット、歌声は聞こえないが周りの人の反応を観て娘の才能を後押ししたいと思う父、フランク。そして、学校でのコンサートシーン。家族が一緒にいるということを一番に考える母、ジャッキー。その母がルビーに健聴者の子供を産んだと分かった時の本心を打ち明けるカット。それぞれのシーンが家族とルビーの関係性をさらに強く結びつけています。そのシーンに胸を打たれる人も多いのではないのでしょうか。コーダは楽曲の終わりを表す音楽記号のことであり、次の章が始まる意味を持つ。なにかを踏み出す一歩を後押ししてくれる素晴らしい作品です!
✒️キャスト
主人公ルビー役を演じたエミリア•ジョーンズさん。自分はNetflixのロック&キーというドラマで知りましたが、自分はエミリアさんを見たいがためにドラマを完走したほど当時、虜になってました。さらに同い年ということも知って、自分も頑張らなきゃなと笑笑 歌声も凄く綺麗で、これからも楽しみです!
そして、主人公の恋人マイルズを演じた
フェルディア•ウォルシュ=ピーロさん。
シングストリートでも主人公を演じた彼ですが、シングストリートの時よりも大人になって、さらにカッコよくなっていました。自分より歳上なのに、子を見る親の気分です。
✒️演出
コンサートでの無音の演出、これはリメイク元のエールでもありましたが、今回はコンサートで使われた曲が音楽賛歌の曲、それによって、より家族に感情移入できる。
そして、最後の試験でのルビーの家族に向けた手話での歌声、そうすることはわかっていてもそれまでの伏線の積み重ねによって素晴らしいカットになっている
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