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コーダ あいのうたのmodernboyのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.5
安定した良作ですが、
極め付けは終盤の発表会でしょう!

楽しげに歌う姿だけじゃ足りなくて。
周りの反応が気になってしまう。

あの描写に全てが詰まっています。

エミリア・ジョーンズ素晴らしかった!
個人的にはジョーンズがアカデミーの主演女優賞です。

すごい複雑な役で。
青春ひとつだけじゃなくて、家族を愛して大切にしてる葛藤。
自分の気持ちよりも、
家族を優先しようとする時のやるせなさ。
その全てを100%以上で演じてました!
まさしく、ルビーだった!
役に溶け込んだ、この演技は見る目がある人には必ず刺さるでしょう。
ルビー=ジョーンズだった。
あと、可愛かった(`・ω・´)

シングストリート以来の、
フィルディア・ウォルシュに気付いたのは、その歌声と横顔ででした。
うわっ、大人になってる!と。
ひとりでニヤけてました。

相変わらず良い歌声と、
失礼ながら美形のまま綺麗に大人になったな!!と。
甘いマスクに瞳の優しさが色っぽいです。
タラシですね、彼は。笑

聾唖ということでフューチャーされてるけど
(それを題材に扱ってるから当たり前だけど)、
ストーリーのテンポもまとまりも、
脇を固めたキャストのバランスも素晴らしかったです。

障害はサブテーマで、
メインを家族の支柱となっている少女の葛藤と青春、
それに対する家族の戸惑いと愛に据えたのが良かったです。

もちろん、父役トロイ・コッツァーも素晴らしかったが、
クソ兄貴のダニエル・デュラントが個人的な助演男優賞です。
兄妹の愛が素晴らしかった。

母役のマーリー・マトリン、色っぽい母、マイペースな母、凄く板についてた。
いつのまにか取材をキャッチしてて、娘に頼み込む。
断りきれないルビーの様子が、もう本当の親子のようでした。

癖のある音楽教授、エウジェニオさん?は絶妙でしたね。
家庭の事情を少なからず知ってても、全く遠慮しません。
彼のいう「リスペクトを欠いてる」という言葉!
とても大事な事で、
ともすれば大変な時期のルビーに対して配慮が足りない言葉のようですが、
まず人と接する上で、守らなきゃいけない人間らしさという面で、教師としていい言葉でした。
ラストのサプライズ登場と、ワザとな失敗、教授の生徒への愛情もこの映画はありましたね。
そのさりげなさが良かった。

副題が「あいのうた」でしたが、
これは邦題の命名には珍しく素晴らしい選択です。
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