好きだ〜！！そして父娘のシーンで泣いてしまった…
親の言動で恥ずかしい思いをしたり悔しい思いをしたり、多少はたぶん誰にでもあると思う。けど、……セックスについてはキツいよ〜！！
しかも全てを翻訳しなきゃいけないし頼られきりのルビーのことを思うと、いつか過労心労で倒れるんじゃないかと心配になる……。
でも後半からは空気が変わる。
音楽大学へ進学したいルビーが、歌を好きだと言い、歌が生きがいだと家族に告白。
自分の才能としたいこと、そして家族とのことにルビーが抱える葛藤。家族側にもまた葛藤があった。
どちらの言うことも気持ちも理解できるからこそ、この家の誰にも届かないルビーの叫びに心が苦しくなった。
そして私の大好きだったシーン。
合唱クラブのコンサートを終え、父はルビーにあの歌の歌詞の意味は何かと聞く。そして歌声を聴く。方法は喉に手を当てて振動を感じるのだ。思い出しただけで泣けてきた……。
なぜ自分はこの愛しい娘の歌声が聞こえないのだろうか、という悲しい気持ちより、「きっと、素敵な歌声なんだろう」と思ったんだろうことが分かるシーンだった。
最後の歌のシーンもすごく好きだった。
直立だったルビーの手がうずうずしているのが、前にV先生に説明する時に上手く言葉にできず手話にした時のような、気持ちの溢れ方がルビーらしく出ていると思った。
もう合格とかどうでも良くなるくらい伝えたい思いが出た時に審査官に響くみたいなことあるよね。
「分かり合えない」は実はお互いに思うところはあるんだろう。けれどだからといって一生分かり合えないわけじゃないんだと思わせてくれる映画だった。これはろう者聴者だけの話ではないとも思った。
