リミナ

劇場版 呪術廻戦 0のリミナのレビュー・感想・評価

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)
3.5
※原作未読

呪術廻戦本編の前日譚を描いた作品の映像化。
劇中の展開に倣って12月24日公開という粋な計らい。

TVシリーズでも名前や姿がチラ見せであった乙骨が主人公である他、五条と夏油の関係性の掘り下げもあり、TVシリーズから続けて観て楽しめる内容(今後に絡む要素もある)。
逆に主要人物や基本設定の説明も省かれずに描写されるため、本作を入口とすることもできる作り。
ただ、個人的には退屈さを感じてしまったので難しいところ。

物語の展開についてはこれも仕方なさはあるが、総力戦であるが故に登場キャラが多く、その分だけ場面の切り替えも多く発生してしまっているのが若干ノイズ。
また、初登場のキャラもバックグラウンドも能力もあまり明かされぬまま戦闘まで進んでしまうため、あまり気持ちが乗り切れなかった。一癖も二癖もあるキャラをまとめ上げる夏油の敵としてのカリスマ性を強調して欲しさ。

乙骨と同級生の呼び方の変化で互いの関係性の変化を表現するのが良かった。
戦う動機付けでありながら日常描写に尺は割けないため、さりげないが説得力のある描写。

画角がシネスコとなり、撮影処理も相まって画面自体はリッチなものの、構図や作画で惹かれるシーンはあまりなかった。五条対ミゲル、乙骨対夏油辺りは時折担当アニメーターの個性も前面に出ていて見応えがあった。

あとKing Gnuによる主題歌が2曲あるが、EDで立て続けに流すだけで映像的な変化がないのがもったいなく感じた。

面白いことには面白いが、TVSPと評されてもそこまで違和感はない作品。
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