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劇場版 呪術廻戦 0のよーだ育休準備中のレビュー・感想・評価

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)
3.5
特級過呪怨霊・折本里香に呪われた少年・乙骨優太は、四名の重傷者を出した事で秘匿死刑が決定したものの、その強大すぎる呪いによって刑の執行を猶予されていた。最強の呪術師たる五条悟の推薦で呪術高専に入学した彼は、徐々に生きる目的を見出していく。そんな中、彼に取り憑く怨霊に目をつけた特級呪詛師の夏油傑が呪術高専に現れる。

来たる12月24日、
日没と同時に我々は百鬼夜行を行うー

ー思う存分、呪い合おうじゃないか。


◆乙骨優太くんでーす!皆よろしくー!

原作漫画は未読。アニメ放送分のみ視聴して劇場版を鑑賞しました。アニメ版の主人公たち(虎杖・伏黒・釘崎の呪術高専一年ズ)の先輩である癖が強めの二年生たち(真希・パンダ・棘)が一年生だった頃のお話。時系列的にはアニメ版の一年前でしたが、物語のスタートはアニメ版と同じで、虎杖の出身地でもある宮城県仙台市。作者は仙台に所縁のある方なのかな。

アニメ版では後半のクールから登場した二年生たち。アニメ版とはちょっと雰囲気が違う一年生の頃の様子が見られたのはなんだか嬉しい。(ただし、パンダは除く。)虎杖、伏黒、釘崎もアニメ版では結構な死線を潜り抜けていたけど、先輩たちも(そして京都校のみなさんも)やっぱりそれなりにハードな戦いを勝ち抜いていたんですね。そして五条先生は相変わらずチートなのね。

真希さんも、狗巻先輩も、パンダ先輩も、アニメ版での活躍を拝見していたので各々の戦闘スタイルは知っていましたが、乙骨先輩だけは初めまして。伏黒が個性豊かな先輩方の中でも『手放しで尊敬できるのは乙骨先輩くらい』みたいな(生意気な)発言をしていたのでワクワクしていましたが、乙骨先輩チートすぎません?作中で最強と謳われている五条先生の遠縁ということらしいけど、特急過呪怨霊の里香ちゃんパワーを差し引いても成長スピードが半端じゃ無い気がするんですが。天与呪縛持ちの真希さんが敗北した夏油を凌ぐ立ち回り。特級仮想怨霊・化身玉藻前を一撃で吹き飛ばす超火力。強力な里香ちゃんは解呪されたようですが、呪具(だよね?)の日本刀片手にどう立ち回るんでしょう。アニメ第二期では出番があるのかな?期待!


◆笑えばいいとおm(ry

そして何より、(これは皆さんも同意見だと思われますが)乙骨先輩ちょっとシンジくんすぎるって!!!!

中の人が一緒なのは勿論ですが、冒頭のガチガチにいじめられっ子気質で根暗っぽい感じから徐々に心を開いていく様子はデフォルトのシンジくん。そして、ラストで夏油傑相手に大立ち回りをする際には、里香ちゃん相手にメンタルで引けを取らなかったり(蝶よりも花よりも丁重に扱え!)、とんでもない才能を発揮しているのに謙虚というか自信を持ちきれていない様子(やっぱり狗巻くんはすごいな…)が新劇破の覚醒シンジくんと瓜二つでした。

そもそも《一人じゃ寂しい》から《誰かに必要とされたい》っていう頑張る動機もすんごいエヴァ感あるよね。

死んじゃダメだ死んじゃダメだ死んじゃダメだ死んじゃダメだ死んじゃダメだ…って、流石に怒られるのでは?笑


◆これは持論だけどね、

『愛ほど歪んだ呪いは無いよ』

という五条先生の台詞が刺さりました。
【愛】とは『そのものの価値を認め、強く引きつけられる気持ち』とあります。一言で《愛》といっても様々な形があって、良くも悪くも多様な表現方法がありますが、《強い気持ち》である事は同様ですし、自発的な気持ちである以上、主体から対象への一方的な感情であるものです。原作未読で、呪術や呪霊について細かい設定はわかりませんが、《愛》という《強く固執する感情》がスピリチュアルな部分で大きな力を発揮しそうだというのは、素人にも直感的に理解できました。

《愛ほど歪んだ呪いは無い》という前提の上で、クライマックスシーンの乙骨憂太と夏油傑の掛け合い。

ーそうくるか!女誑しめ!
ー失礼だな。純愛だよ。

呪術をテーマにした作品内におけるトップクラスの実力者(特級)同士の一騎打ちを飾る実に小洒落た演出。


花澤怨霊ボイスで『だいすきだよおおおおおおおおおおおおおお!!!!』っていうのも、破壊力ばり高かったなぁ。