綾

ひまわりの綾のレビュー・感想・評価

ひまわり(1970年製作の映画)
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なんとも過不足のない映画だった。現代では到底真似できないシンプルさ。まさにシンプルイズベスト。
冒頭の向日葵が、向日葵なのに頭を垂れていて、ああ これから哀しい物語が始まるのだな と予感させるに十分だった。とても印象的。車窓からの向日葵畑も、その背景を含め、忘れられないシーンになった。
向日葵、明るく陽気なイメージだったけど、たからこそ、その裏にかなしいイメージが焼き付いてしまったな。

誰をも責められない悲劇、というのがこの世には沢山あって、戦争下では尚のこと、怒りをどこにぶつければいいのか分からない物語が星の数ほど在ったのだろうな。

音楽も美しくて、耳に残っている。
綾