たりほssk

誰かの幸せのたりほsskのレビュー・感想・評価

誰かの幸せ(2020年製作の映画)
4.0
すごくおもしろかった!こういう作品は大好き。脚本が命ですね。

レアは、カリーヌ・フランシス夫妻にもマルクにも、人間的に格下に思われていました。その格下の人間が社会的に成功を収めたら、その人間関係はどうなっていくのか?
どうなるかと言うと、レア以外全員不機嫌になって、自分を失います。マルクは自分に自信が持てなくなり(レアを下に見ることで自分の立場を確認していたのでしょう…)、優柔不断で決断力のないあのレアにできるならうちらだって…とカリーヌとフランシスが創作活動に励むあたり、めちゃくちゃ笑えました。

興味深いのはレアの性格で、表情もあいまいだし、何考えてるのかよくわからない。デザート注文のあたりも、周りの空気を読んで目立とうとしないところなんか、もしかしたら、欧米の人々から見た(いわゆるステレオタイプ的な)日本人みたいなのかも、と勝手に想像したらますますおもしろくなってきました。
成功してからは、その成功を自慢しているのか謙虚なのかも良くわからないし、友達が離れていっても立ち直れないほどのショックは受けてないみたいだし…。おそらく話の流れからすれば、彼女は人間観察に長けているのだから、人間関係に対して客観的でいられるってことなのだろう推察しています。
しかし他方、この文脈からすると、空気を読める人は人間観察の才能があるということになり、じゃあ空気読むのが得意な(日本)人は、言い換えればそういう才能の持ち主なのかー?と、妄想が止まらなくなってしまいました。ほんと楽しかったです。
たりほssk

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