たりほssk

バハールの涙のたりほsskのネタバレレビュー・内容・結末

バハールの涙(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

イラクのクルド人自治区で起きた出来事を基にしている。
弁護士でヤジディ教徒のバハールは帰省した故郷の町で過激派組織「イスラム国(IS)」の襲撃に遭い、夫を殺され、息子を誘拐される。その後、バハールは女性戦闘員の舞台「太陽の女たち」に加わり、前線でISと闘い始める。同じく小さな娘と離れて、同行取材を続ける戦場記者マチルドを通し、内戦状態に置かれた女性たちの姿が描かれる。

戦争における女性の姿を浮き彫りにした作品。一般市民がこのような理不尽で恐ろしい状況に置かれているということは自体、あまりに悲惨で辛かった。しかし、こういう状況があることを知らしめるという映画の一つの役割を充分に果たしているように思う。
そして、その状況の中、彼女たちは死を恐れずに立ち向かって行く。出産のシーンがあったが、まさに未来を創る女性の役割の大きさを思わずにいられなかった。

ただ、一つ感じたのは、闘い続けるバハールの動機が、幼い自分の子供を取り戻すためだったことである。またマチルドの幼い娘との絆も強調して描かれていた。それはそれで、もちろん十分な説得性があり、とても良く理解できる。しかし、全体的には「母」の面だけでなく、もう少し広い視野で、「なぜ彼女たちは立ち上がったのか」を知りたかった。
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