あんじょーら

恋の病 〜潔癖なふたりのビフォーアフター〜のあんじょーらのレビュー・感想・評価

3.2
タイトルからはあまり連想できない結末で、かなりビターですし、凄く今の流行りを意識した展開でして、そこに好感を持ちました。


強迫性障害で重度の潔癖症のボーチンは、自分でも自覚している変人です。何度も手を洗わないではいられませんし、1日に1回は必ず部屋を異常に掃除してしまいますし、外出は月に1回で、グローブと雨合羽を着ないと晴れていようが外出出来ません。そんなボーチンがいつも行くスーパーが休みでたまたま別のスーパーに行くと、同じような恰好の女性を見つけ・・・というのが冒頭です。


コメディタッチ、と言って良い作風ですが、それだけではありません。この映画はかなり練られた脚本で出来上がっていますし、テンポも素晴らしく、なおかつ、色の演出が素晴らしいです。


誰にでも訪れる、私だけがあなたを理解している!といういわゆる恋愛初期の妄想のなせる技である勝手な思い込みと、恋愛終盤に訪れる、あんなに理解出来ていたつもりなのに何を言っているのか分からない、というまぁ都合の良い考えをちゃんと描いています。


特にこの映画の主人公たちは重度の強迫性障害であり、これは病です。しかしこの病は、病の人でないと理解しにくい、という大変運命的(に見える)装置が効いていて、これが終盤に、○○します。


これは私は相性悪い監督ですが、デイミアン・チャゼル監督のやり方を踏襲しつつ、もう少し先に行っていて、その点が素晴らしかったです。


台湾映画、侮りがたし!