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かそけきサンカヨウのjunのレビュー・感想・評価

かそけきサンカヨウ(2021年製作の映画)
3.4
それぞれ家庭に悩みを抱える高校生2人。
幼い頃に絵に没頭する母に出て行かれ父子家庭で育ちいきなり現れた父親の恋人とその女性の連れ子と家族になることになった陽。
心臓が弱くやりたいことも好きにできず頼りたい父親は海外赴任、母親は姑にこき使われなんだか息苦しい家に住む陸。

だけど出てくる人に悪い人がおらず、、、というかみんないい人すぎて逆に途中からこの映画が何を伝えたいのかわからなくなってきた。



《以下ネタバレあり》








陽を置いて出て行った母親は展覧会に現れた娘に気付いてないと思ったら実は気づいていたという描写がありましたがだったら何かその場で反応してよと思うし、母親に気付いてもらえなかった事で思い悩む娘に父親が必死のフォローをしますが「結局お母さんはお前も大事だったけど絵を描くことも大事だったから出て行ったんだよ」としか伝わらない完全な言葉足らずパパ。ここが一番モヤモヤした。
私だったら余計傷つくかもしれない。
それでも良い子ちゃんな陽は私の居場所を取らないで!なんて思いもせず、新しいお母さんや妹を素直に受け入れ新しい家族を築いているし陸は初めて母親とじっくり向き合い自分の見えてなかった父親と母親の関係性や姑の口うるささの裏にある愛情を知り自分なりに納得した様子を見せる。
10代ってそんなに大人かな?と首を傾げてしまう。
これから20代30代40代と守るものが増えると言いたい事も言えなくなるのにせめて10代のうちぐらい本音を吐き出させてあげてほしい。そう思ってしまいました。

そして後半急に始まる2人の赤い服の女性の会話。父親の仕事を陽が手伝ってる描写でしたがこれをわざわざ入れた意味がよくわからなかった。しかも結構な尺。
集中力がプツンっと切れてしまいそうになった瞬間でした。

結果、観終わった後何も残ってないそんな印象。
ちなみにタイトルの
かそけきは『今にも消えてしまいそうな』
という意味のようで初めて聞いた言葉でした。
サンカヨウは初夏に咲く透明な花を咲かせる高山植物。ググったらめちゃくちゃ綺麗な花だった。

だけどこのタイトルの意味を知っても結局何が言いたかったのかわからないなぁ…
と、そんな映画でした。

ちょっと高評価でびっくり。
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