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ベネデッタのchinsukoのレビュー・感想・評価

ベネデッタ(2021年製作の映画)
3.6
神聖なのか狡猾なのか

幼いころに出家して修道院に入る主人公ベネデッタ。成人となった彼女はある日、修道院に逃げ込んできた若い女性バルトロメアと出会う。同性愛の気があったベネデッタはバルトロメアと関係を持つ。そんな中、神と交信するビジョンを見たベネデッタに、聖痕とみられる傷が両手足に表れる。修道院長のフェリシタは自作自演だと疑うが、ベネデッタは奇跡の聖女として崇められ、修道院長の座に着くことになる。

ベネデッタが見たビジョンが妄想なのか否なのか、また聖痕の真偽についても特に語られない。故に神聖な人にも見えるし、裏を返せば狡猾な人物に見えてきます。そして神がかった言動が「聖女」への道を固くすることになります。

後半、フェリシタは娘を自殺に追いやったとしてベネデッタを告発すべく、教皇大使ジリオーリを訪ねベネデッタの奇蹟は偽りである事を告げる。真偽を確かめるべくジリオーリはベネデッタのいる修道院に戻る。
フェリシタは、ベネデッタとバルトロメアが淫らな行為をしていることも証言。それが本当なら死罪に値するとジリオーリはバルトロメアを拷問するよう指示する。バルトロメアは関係を告白し、ベネデッタは火炙りの刑に処されることに。ベネデッタに奇蹟はおこるのか・・・

同性愛の妖艶なシーンのためか、R-18指定となりました。他国では題材上の問題か上映禁止になったところもあるようです。

監督のポール・バーホーベンはかつては「ロボコップ」「氷の微笑」などヒット作を輩出した人物で、近年は個性の強い女性を主人公とした作品を作っています。御年85歳、バーホーベンの演出の魅力は衰えを知りません。

「ロボコップ」の初見はかなり衝撃的だったのを思い出します。
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