すごい作品だった。よくこんな題材を映画にしたなと。
今現在、精神疾患を抱える家族がいる身としては、正直あみ子側に全く共感できず、お父さんもお母さんも何も悪くないよ、頑張ったよ、お兄ちゃんは偉すぎるよ、いいお兄ちゃんだね、グレたって全然いいよ、と思いながら見てました。のり君もえらいよ、坊主の子は一番バランス取れてて人間できてるね。
あみ子の天真爛漫さやたまに優しいっぽい描写を見てもなお、彼女への憎悪と嫌悪が勝ったので今自分は疲れてるのかな、すさんでるのかも、などとリトマス試験紙代わりにはなるかもしれない作品かもしれません。家族は我慢せざるを得ないけど、学校や職場ではまあ大目に見てあげてもらわなくちゃやってられないよなあ。
正直こんな厄介な人が周囲にいる現実もわりとあるんだよ、という啓蒙活動に一役買ってくれるといいなとは思います。とか思ってしまうのも今の不寛容な生きづらさにも繋がっているのかな。寛容・不寛容のラインてどこなんでしょうね。
