バリカタ

復讐者たちのバリカタのレビュー・感想・評価

復讐者たち(2020年製作の映画)
3.0
実話に基づいているとのことですが、どのあたりが事実なのでしょうね?その辺りの詳しいことは調べても何かを読んだりもしていないのでわかりませんが、ホロコーストの犠牲者たちが復讐のために動くというのはあったでしょうね。理不尽に生活を、愛する人たちを、命奪われ単ですから。手に銃を持っていれば、憎い敵国の誰でもいいから仕返ししたくなるでしょうね。否めません。僕がそこにいたら、同じことをしたかもしれません、いや、するでしょうね。
ですが、、本作のテーマは復讐じゃないんですね、明日、未来をどう作るのか?がテーマってのがミソです。

家族を理不尽に殺されたら、ひどい目に合わされたら、僕はどう思うのだろうか?。本作はずっと問いかけてきます。ホロコーストに限らず争い事の根本ですよね。愛するものを傷つけられたら仕返しするって。当事者同士なら目には眼を歯には歯をはアリだと考える過激な思想をもつ僕です。これまで、現実は知りませんがホロコースト関連の映画やドキュメントを見てきた者としては、これをもたらした奴らに同じ目に合わせたいと思いました。本当に。自分の子供が殺されたなら、虐殺した側の連中の子供を殺し、同じ目気持ちにさせてやりたいとも思いました。・・・過激ですみません。でも、理不尽に命を奪われたら僕は正気でいる自信がありません。

本作は僕のような考えや気持ちを持っている人向けに作られたのではないかな?とさえ思います。主人公はまさに僕だと思いながら見てました。だからこそ、もっともっと説得して欲しかったと思うのです。もっともっとチームに参加している人たちの心情の移ろいを見せてほしかったし、行き着く先の不毛さを描いてほしかったと。僕の考えのスイッチを変えるほどのものを見せてほしかったと思うのです。頭ではわかるのです、報復は次なる報復しか生まないって。自分に起きていなければ、「やめなよ、報復なんて」っていいます。けど、自分に起こったら・・・言えるかな?

もしかしたら、本作に求めすぎなのかもしれませんね。別に、報復抑制映画じゃないですから。
でも、アフター・ホロコーストを描くのであれば、このどうしようも置き場のない気持ち、怒りをどのようにしたのか?を描いてほしかったし、心情も丁寧に描いてほしかったと思うのです。その点が、僕にとっては非常に残念だったと。でも、このような作品が作られる意義は大いにあると思います。