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ONODA 一万夜を越えてのyoyoyoのレビュー・感想・評価

ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)
3.8
戦争が続いていると信じ、戦後約30年もの間フィリピンのルバング島にて潜伏し続けた小野田寛郎さんのお話。
ずしん、と胸に腹にのしかかってくる作品。鑑賞後数日経った今も場面場面が頭をよぎる。フランス人の監督が、どういった経緯で思い入れでこの作品を撮ったのか、気になる。涙や感動を無理に演出するわけでもなく、真摯に向き合って作品を作りあげたという印象を受ける。
ジャングルの中、敵もいなくなり島民からものを奪い荒らし火を放ち殺す。そりゃあ恨まれる。島民からしたら、戦争終わったんだから早よいなくなってくれと思うし、大迷惑の極みだろう。
小野田さんが一人になってから余計に心が変形していったんだろうと思わせる、津田寛治の表情がすごい。怖い。
そして、大部分を津田寛治が演じるのかと思いきや、青年期の遠藤雄弥がメインで驚いた。映画の時間が良い意味で長くて重く感じ、小野田さんの年月の重さと重なる。
日本に帰ってきてから生活に馴染めなかった小野田さん。帰ってきてからの人生もとても気になった。
真実が見えなくなること。戦争の恐ろしさ。本当におっかない。小野田さんのあまりにも長すぎる時間に、言葉を失う。
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