「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉をこの映画のタイトルで初めて知った。その意味を知ると、まさに内容にピッタリのタイトルだった。
忠さんや珠子のように、犯罪を犯したわけでもないのに、ただそこで暮らすことが難しい人ってどれぐらいいるんだろうかと思った。知ることと理解することは違うし、理解出来ないことがあっても良いと思う。でも、理解出来ないから否定するというのはちょっと違うよなぁ、と思えてしょうがなかった。
住宅街で乗馬クラブを経営している今井の、自分たちのことは棚上げしたような発言や、拡声器持って「批判したいわけじゃないんです」という言葉の説得力のなさにはもやもやとした。自分たちの言動のチグハグさに気付かないまま大声をあげる大人達を観て、あぁこうして子ども達へと、差別や偏見は受け継がれていくんだなぁと思った。
「お互い様でしょ」珠子のこの言葉が身に沁みた。自分で精一杯になって忘れやすいけれど、この精神の大切さを、立ち止まっては思い出していきたいと思う。
#137_2021