とても微妙な気持ち。
デヴィッド・ボウイの宇宙人的な美しさや独特の存在感を主演のジョニー・フリンに求めるのは酷なのかもしれない。
けど、どこかで期待したのがいけなかったのか。
単独でアメリカへ飛び、プロモーションツアーを華々しくするはずだったボウイの、初期の何ともさみしく苦い経験。
彼の唯一無二の個性は当時のアメリカではなかなか受け入れられず、そこに兄の遺伝性の精神的な病が不安材料となり、ひとり苦悩する姿が強く描かれている。
最終的には自分を見つけ出し、かの有名な「ジギー・スターダスト」を発表、押しも押されぬ伝説のロックスターになるわけですが、何だか全体に淡々とした描写が気分を盛り上げてくれなかった。
最後のライブもなんだかなぁ。
ジョニー・フリンは劇中の歌を自身で披露、歌い方や話し方、しぐさなどもかなり頑張っているのにどこか物足りない。
あの歯並びも特徴とは言え、返って気になって。
もっとアーティストとしての人間くさい部分を押し出すとか、何か工夫が必要だったかも。
ただ、初期の苦労時代をあえて映画化した大胆さは買います。