ぶみ

殺人鬼から逃げる夜のぶみのレビュー・感想・評価

殺人鬼から逃げる夜(2020年製作の映画)
3.0
クォン・オスン監督、脚本、チン・ギジュ、ウィ・ハジュン、パク・フン等の共演による韓国製作のスリラー。
連続殺人鬼が女性を襲う現場を目撃した聴覚に障がいを持つ主人公が、殺人鬼に追い回される姿を描く。
主人公をギジュ、殺人鬼をハジュン、襲われた女性の兄をフン、主人公と同じく聴覚障がいのある母をキル・ヘヨンが演じており、基本的にはこの四人で物語は展開。
冒頭から殺人鬼としてハジュンが登場しているため、犯人捜しのミステリではなく、執拗に追い回してくる彼からいかに逃げるかに焦点があてられることとなるが、追う側、追われる側ともに、基本走って逃げており、その尋常じゃない体力は流石に無理があったのでは。
事件発生の一夜を描く内容は、マイケル・マン監督『コラテラル』や、バラン・ボー・オダー監督『スリープレス・ナイト』、ブライアン・カーク監督『21 ブリッジ』といったサスペンス作品を彷彿とさせるものであり、そのスピード感や、お互い頭の回転の速さが光る知能戦は面白く、また主人公が耳が聞こえないことからくる特有の展開は、捻られているものとなっているが、全体的には、何故そんな行動になるのかと理解できない点が多くあり、突っ込みどころも満載。
ラストの切れ味は中々であるし、空気感も悪くないものの、走りすぎに始まり、終始脚本の詰めの甘さが気になってしまい、もう少しで傑作になれたであろう惜しい一作。

私が終わらせる。
ぶみ

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