コーディー

インフル病みのペトロフ家のコーディーのレビュー・感想・評価

インフル病みのペトロフ家(2021年製作の映画)
3.7
インフル感染により意識が朦朧とする中で現実と幻覚の区別も曖昧になり無秩序状態に陥る男、と言うより社会!
鬱屈とした病が蔓延する世界、その回復への道は?と、混沌とするロシアを嘲りや皮肉、そして憂いを帯びた多様な視点から見つめる異様さにただ困惑w強烈でした!

大筋の流れはあるけど、そんなの追いかけ出すと病の蔓延速度に置いてかれるしw時代の交錯だけじゃなく場面ごとにシームレスに幻覚が顔を出すのでますます翻弄される。格差や差別、反体制思想による諍いや暴力をタブー無視で描いた上で、妙なユーモアを纏い出す感じwなかなか難易度高めな映画でした。

繋がったは良いけどこの視点で伝えたい事がイマイチ掴めなかったり、あまりにも雑然としてるので最後まで高熱にうなされる感覚wソ連時代から流れるロシアの今と、この先って事である程度の知識があればこの凄まじい熱量や行き詰まった感情をもっと感じられたのかな。
とは言え、このカオス割と好きw

ペトロフの悪夢も面白かったけど、元妻ペトロワの狂気もなかなかに常軌を逸してたしw彼女を主役にしても良かったかもな〜とか思った。
てか久しぶりに観てて、面白くないのとはまた違う手応えの無さを感じたしw最近で言うと『アネット』よりも評価の難しい映画だったな。