ニクガタナ

パリ13区のニクガタナのレビュー・感想・評価

パリ13区(2021年製作の映画)
3.6
パリはヤっているか?
イマドキのパリのアムールを生々しくも美しく描いた、ジャック・オーディアール監督作。モノクロに映えるパリの街並み。パッツン金髪のウィッグで仮装してパーティに出たら偶々似てたポルノ女優と間違われ、せっかく復学した学園生活台無しに。その果てに芽生える件のポルノ女優との友情関係が興味深い彼女に「知り合いの女全員とヤッてんの?」って問い詰められる本作の主人公 黒人男性カミーユのキャラ設定が上手い。キャリアアップの為に1年高校の国語教師の職を休職して、勉強しながら友人の不動産屋を手伝っているというね。母親亡くして間も無く、吃音の妹もいる家族のこととか等身大の悩み抱えていて、感情移入しやすいし、文学的な香りも漂ってくる。そして、ヤリたいと誘うのが女性の方からというのも今っぽくて良い。チャラいアンちゃんがナンパしてひたすらヤッて、寝て、気持ちいいではお話になりませんからね。ということでパリの今の豊かな性事情を堪能しました。満腹です。最初そこに愛はあるんか?と思ったけども、何回かヤッた後に芽生える愛だってありますよね、そりゃ。話の展開読めず、日本人的感覚だと え?またヤルの?って感じで15分に1回くらいのペースでヤルので、家では大変観づらいよ。今作もまた愛のある終い方が監督らしくて好き。
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