このレビューはネタバレを含みます
全然共感できねえ。という気持ちが最初に観た後の感想だったので、後半のユリアとアクセルが再会して話している時に客席からすすり泣く声(おそらく女性)が聞こえた時は驚いた。
なぜ共感できないかということを観た後ずっと考えていたけど、「そうか。これはジェンダーとかに関わらず、『未来が決まってしまうこと(あるいは決まるのではないかと思ってしまうこと)に過度に不安な気持ちになり決断を遅らせている』というユリアの決断力の鈍さに共感ができなかったのか」という結論に至った。(念の為に言っておくと、「だからこの映画はダメだ」ということでは一切なく、天真爛漫なユリヤはそれはそれはキュートで、その人生の長い長いモラトリアム期間に不安な気持ちを抱くことも理解はできるし、映画自体もおもしろかった。ただ、僕個人が意外と彼女ができなかった決断をたくさんしてきた人生だなぁ、と顧みていただけです)
あまりジェンダーどうのこうのいいたくないし、この映画はそれに関わらずユリヤの恋人であるアクセルやアイヴィンの価値観のゆらぎについても描いているので、もしかしたらまた10年後に観ると感覚が違うのかもしれない。
余談ですが、ユリヤが「50歳になってもコーヒーを入れてるの」とアイヴィンに啖呵切った時は痺れた。