バリカタ

わたしは最悪。のバリカタのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
4.5
後悔したないです、人生は。したくないですけどねぇ・・・

やりたいようにできない。いや、なんやかんや理由をこじつけて「しないだけ」なのかもしれません。自分がやりたいようにやっている人は自分勝手、エゴイストなどなど言われちゃいますよね。相手からみたら、こちらの事情を加味してもらえないような行動をされたら憎しみしか持たれないかもしれません。自分以外の人(相手または第三者)には悪かもしれないけど、自身の心のままに、自身でたどり着いた判断と答えに従って生きることは自分自身にとってどれほど誠実か?1人で生きているわけではないこの人生でどれだけ自分自身に誠実でいられるだろうか?少しでも相手や環境、事象のため、、、、という判断基準があったとき、後悔なく死ねるのだろうか?なんて思っちゃいました。

ユリヤは無軌道で自分勝手、はたまたワガママみたいに映りますが、彼女なりの論理があってこそなんですよね。そして、彼女の言動・行動は自分自身に正直でありたいけど、できない人々の願望の具現化ではないでしょうか?しがらみから解き放たれる時のユリアの表情は最高にいい笑顔ですし、多くの方がこんな解放感を味わいたいはずです。

本作で描かれるのはユリヤの選択。彼女が自分に誠実に選択して、自分の足で歩いていく人生のお話。「自分らしく生きる」できるようでなかなかできないと思われるその生き方をときどきユーモラスな場面を差し込みつつ、軽やかに描いてくれています。人生って無数の選択肢とゴールがあると思います。その結果のエピローグでのユリア。彼女がどう見えるか?は人によって変わると思います。多分歩んできた人生の違いで捉え方が変わるような気がします。いろんな人の意見を聞いて見たいです。僕は「彼女の潔さが作った幸せ」を感じましたよ。「私はこれ"が"いい」って言っているようでした。こんな格好良い生き方憧れます。

そうそう、キッチンのスイッチ「パチンッ!」からの時間よ止まれ演出はサイコーでした。僕は昔、付き合っていた彼女に青天の霹靂のような一言を唐突に言われたことがあるのですが、このシーンを見たら、「あぁ、そっかそーいうことだったのか!」って納得できましたww
このシーンだけで評点は+0.5です。見事なシーンでした。