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牛首村のこたつムービーのレビュー・感想・評価

牛首村(2022年製作の映画)
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ふー、ぐへー。
「東映村まつり」観了コンプリート。
以下長文で。


ささやかな達成感はある。笑
が、それは自分に対してだ!このシリーズ自体は総じて褒められたものではなく、この「牛首村」に至っては個人的インターミッション(休憩)を余儀なくされた。

それも前作「樹海村」同様、折り返し付近だ。

あまりに退屈で中断したんだがもはや、この監督× 脚本家の病理だな。中盤に差し掛かると物語の推進力がなくなり、主人公たちがおかれた状況がどうでもよくなる。笑。今回は場の説明、因習の説明が冗長・スマートではなく、相変わらず作劇は散漫。良かったのは実際の暴風雨でのプラットフォームのワンカットかな。青春を感じます。


あと「年々厳しくなるねー」とは改めて感じた。


何が?というと、ウラ日本的、柳田國男的、民俗学的奇習因習を担保する時代背景についてだ。
語り部の麿赤兒の幼少期であれ「戦後」だから。
今回の人減らし、人身御供がしっくりくるのは言うて昭和初期、戦前迄だろう。つまり祖母・祖父に語らせるべき物語の賞味期限って実は1970年代まで位なんだよ。リアリティに「年々無理が生じてる」ということ。

(ちなみに犬鳴村はダム建設という近代的リアリティによってギリ成立しなくもない、という処だが、それでも高島礼子の年齢がすでにスクリプトエラーなんだよな)

だからJホラーなるもの。割り切って今の、新たな「現代のフォークロア」狙わないと普通にムリめなジャンルになってねえ?、とは指摘したい次第だ。


で、そんな物語面と反比例するように、
トリック撮影はもはや堂に入ってる。

同一ショットトリック、反射トリック、ホラー表現(とくに水溜りショット)など技術がシャープな分、やはりそれを担保するストーリー面の稚拙さばかりが、浮いて目立つ。
で、それらビジュアルエフェクトなんて飽くまで「エフェクト」なんだから、もっと推敲してほしいね、根幹の物語を。

以上。
ほとんど映画内にふれず終わる。笑
この映画よりも、深沢七郎の短編小説「みちのくの人形たち」こそをオレは強く薦めたい。


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【まとめ・各賞発表】
「村」まつりを総評すれば
なかなかの低タイムの争いながら、一作目

「犬鳴村」

が結局、素直な作風だけに一番かな・・。
作品賞は犬鳴村に決定しました!(笑)
アバンタイトル賞も発表しよう。アバン賞は

「牛首村」

イントロが一番短く良かったこととエレベータ落下描写のシャープさにて受賞。また「技術賞」も戴冠。コーキさんには「新人賞」です。

「樹海村」

にも何か賞を与えなきゃな。
美術に「クラウンワゴン賞」と
安達祐実に「俳優賞」を。そして作品全体に
「一番すぐ忘れちゃい賞」を授与します。

共通点も見つけよう
・兄弟姉妹の物語である(1・2・3)
・祖母が能力者で祖父が説明する(1・3)
・強引なレベルで家に落書きされる(1・2)
・旧事件の核に女がいてそれは親族(1・2・3)
・必ずタイムスリップし核に会う笑(1・2・3)

こんな風に共通点を探ると作り手がテンプレで作っていそうだとわかり、興ざめしていいよ!(?)


最後に。
もうプログラムピクチャーは【100分以内を目指すこと】という法律をつくってくれ。
今回115分? 2時間切っても充分過ぎる程長い。